棟板金工事
棟板金を張り替えるのが棟板金工事です。張り替える際は、板金の中にある貫板を高耐久の樹脂製のものに変えることをおススメしています。
家屋での板金は、主にスレート系の屋根を留めている金属部分のことを指します。 屋根と屋根の面が合わさる山状(角)の接合部分、ここを覆って雨水の浸入を防ぎ、なおかつ屋根材を固定している金属が板金です。棟は、風の影響を受けやすい、強風の被害に遭いやすい、さらに屋根の上という確認しづらい場所にあるため、浮き上がってしまったり、飛んでいってしまったりしても気付かないことが多いため、いつの間にか雨漏りしていたなんてこともあるのです。
「貫板」と「ねじ釘」にまで
こだわります
- 屋根の点検をすると、棟板金を固定する釘の浮きや抜けをよく見かけます。いくら新しい屋根材を張っても固定する貫板、ビスが浮いてしまうと、強風で飛ばされたり、再施工が必要になります。
- 貫板やねじ釘にもこだわります。貫板は、耐久性に優れた樹脂製の貫板で、釘などの抜けがなくなります。さらに、ねじもスクリュービス(SUSビス)を使い、災害にも劣化にも強い屋根工事を提供しております。
屋根工事との違い
板金工事は、金属の薄板を利用した工事のことを指します。
板金工事は板金を扱うため、屋根工事と間違えやすい部分も多いです。
同じような材料であっても、屋根に金属板などを張り付ける工事は「屋根工事」に分類されます。
さらに、板金と似ていますが、瓦、スレート、金属薄板などを屋根に張り替える工事などは「屋根葺き工事」に分類されます。
間違えやすい部分なので、どのような違いがあるのかを施工業者に事前に確認しておきましょう。
屋根板金工事の3種類
雨漏り防止には屋根板金工事が重要です。
その1.棟板金(むねばんきん)
スレート屋根の一番尖った部分に被せる金属の山形の板。
一番高い部分で、出っ張っている部分のため、台風や飛散物の影響を受けやすく、雨漏りの原因になることもあるため、定期的なチェックがおすすめです。
棟板金の交換 |
既存棟板金・下地木材を撤去して、新しい下地・棟板金を施工します。 |
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棟板金のビス留め |
棟板金を留めている釘が浮いている場合、釘を抜いてビスに交換します。 |
棟板金の塗装 |
既存棟板金の表面に塗装します。 |
その2.谷板金(たにばんきん)
V字形で2面の屋根面が交わる部位のことを谷部と言います。
屋根の中でも特に雨が集まってくる場所であるため、もっとも雨漏りが起こりやすい部位です。
雨を滞留させることなく、速やかに排水させるために、V字形の板金を使用します。
そして、谷部分は屋根材同士がぶつかる場所になる為、必ず隙間が発生してしまいます。
その隙間部分から雨水が入らないように、取り付ける役物のことを谷板金と呼びます。
谷板金の交換 |
既存の屋根材を部分的に外して、谷板金を撤去して、新しい谷板金を施工します。 |
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谷板金のカバー |
既存谷板金の上に新しい谷板金をカバーします。 |
谷板金の防水 |
既存谷板金の表面に塗膜防水を施工します。 |
その3.ケラバ板金
切り妻屋根などで、雨樋がついていない部分の屋根の端部分。
雨水の侵入を防いだり外壁への日当たりを調整するなどの役目があります。
実は雨漏れしやすい箇所でもあり、屋内に雨水を侵入させないための工夫が色々されています。その一つが水切りです。
ケラバ単体での工事はほとんどなく、ほとんどが屋根材のリフォームも含めた工事になります。
棟板金工事料金
棟板金交換工事のみ | 5,000円/m |
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棟瓦補修・積み直し | ¥10,000/m~ |
瓦交換 | ¥10,000/枚~ |
工事の流れ(棟板金交換工事)
劣化しにくいプラスチック製の貫板で耐久性アップ!
雨漏りの直接原因にもなる、貫板の腐食や劣化。従来、棟板金を固定している貫板は木製でした。そのため、雨水が浸入すると腐食や劣化のスピードが早まり、釘を固定する力も弱まってしまうため、落下や飛散の原因になります。
そこで、当社では、木製よりも劣化しにくいのが特長のプラスチック樹脂製の貫板を使用した工事をご提案しております。プラスチック樹脂製の貫板は水分を吸収しないので、木製よりも劣化しにくく、また、板金を固定するのにも釘ではなく、サビに強く、ねじ込み式で緩みにくいSUSビス(ステンレス製のネジ)を使用します。
プラスチック樹脂製貫板とSUSビス、これらによって強風に強い棟板金と安心を手に入れることができます。当社ではお客様のお住まいの状況に合わせて、最適なものをご提案させて頂きます。
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1状況確認 工事を行う前に状況確認します。色褪せや釘の浮きを確認することが多く、随所でこの様な浮きが見られる場合は、棟板金の下にある貫板にも傷みが出ている可能性が高いです。貫板が腐食すると、釘が抜けやすくなるためです。また、浮き出た部分が錆びている場合は、浮いてから長い年月が経っていることが伺えます。 -
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2棟板金の撤去 棟板金を外すと貫板が出てきます。年月が経っている場合、貫板は湿気を帯びており、ボロボロに腐食しています。その場合、棟板金と共に貫板も全て撤去し、清掃を行います。 -
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3釘穴の補修 コーキングで釘の穴を補修します。貫板を固定していた釘の穴はそのままにはできません。穴が開いたままだと、そこから水分が屋内に浸入してしまうからです。コーキングによって釘穴は完全に塞ぎます。 -
STEP
4貫板の設置 貫板を新しいものに交換します。 -
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5棟板金工事交換完了 棟板金の接合部からは水分が入り込まない様にコーキング処理を施します。以上で棟板金交換工事は完了となります。
板金工事のメンテナンス方法
屋根板金を工事した後は、適切にメンテナンスを行いましょう。
台風の後には点検を
屋根は台風や大雪などの自然災害で破損しやすい場所です。
よって台風が通り過ぎた後や、大雪が降った年の春には、専門家による点検をおすすめします。
もし自然災害が原因で屋根板金に修理が必要になった場合は、加入している火災保険が適用される可能性もあります。
5年ごとに専門店に点検してもらう
新築でも、5~7年経つと、ほとんどの屋根で棟板金の釘浮きが見られます。
ほんの少しの浮きでも、雨水による釘穴の膨張と、乾燥による収縮を繰り返すことで釘が脱落することも。
棟板金を固定する釘が脱落している状態では、いつ強風や台風で捲れたり、飛散してしまうか分かりません。
できれば5年おきには屋根修理の専門店に依頼し、屋根の上から釘の浮きをチェックしてもらいましょう。
特に梅雨前や、台風シーズン前に点検してもらうと、雨漏りのリスクや飛散のリスクを防げます。下地の腐食や板金の劣化は屋根からでないと分かりませんので、必ず屋根に登って点検してもらってください。
おまけ:屋根修理は自分でもできる?
屋根板金の修理を専門店に依頼するより、少しでも費用を抑えようと自分で修理してみようと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、DIYでの屋根板金の修理はおすすめしません。
屋根に登って作業することに慣れていない方が、屋根に上るのは大変危険です。
また間違った場所にコーキング材を使用して、逆に雨漏りがひどくなってしまうことも…。
さらに、DIYでの修理した場合、火災保険で修理しようとすると適用外となります。
こうした理由から、屋根板金の修理は必ず専門の業者に依頼をしましょう。